- 2024年9月26日
- 議会報告
定例県議会で一般質問をさせていただきました
1.都市計画道路について
都市計画道路は将来の都市や都市交通のあるべき姿を踏まえた都市基盤施設として、都市計画法に基づき計画決定を受けたものです。このように都市計画道路は将来の都市の骨格を定める重要な役割を担う事から、常に社会経済情勢の変化や目指すべき都市の在り方を見据え、その必要性を検証しながら見直していく事が求められます。しかしほとんどの都市計画道路は計画決定から20年以上経過しながら、未だ整備の進まない区間が多く残され、さらには未整備の道路区域内では都市計画法による建築制限が依然として続いています。
今日の都市計画道路を取り巻く環境は、少子高齢化に伴う急速な人口減少や超高齢社会の到来、さらには自治体財政の悪化など、高度成長期の人口増加や市街地の拡大が期待された昭和40年代から大きく変貌しており、地方公共団体に於いては早急に都市計画道路の役割や必要性を検証し、計画の変更や廃止などの見直しを進めていく事が求められています。
平成29年の都市計画道路に関する国の報告書では、地方公共団体での都市計画道路の見直しに対して、その取組不足が強く指摘されると共に、道路整備の実現性の期間を30年と評価して廃止候補とする大阪府の取組事例や、同じく長期に渡る建築制限の対応として、地方公共団体の裁量の範囲内で建築制限を緩和する横浜市の取組例などが紹介されています。
さらに都市計画道路の見直し課題として、平成17年に最高裁で結審した都市計画道路に関する訴訟、いわゆる盛岡裁判の事例が紹介されています。この訴訟は都市計画道路決定を受けた土地所有者より提起されたもので、具体的な整備計画の無いまま60年以上に渡り建築制限を受けてきた事に対し、憲法29条3項の「私有財産は正当な補償の下に、これを公共の為に用いることができる」という損失補償条項に基づき、自治体にその補償を求めたものです。
この最高裁判決では、都市計画法に基づく建築制限は、所有権の内在的制約に属するとして、損失補償を必要とする特別の犠牲では無いとの下級審判決を是認し、原告の補償請求を棄却したものです。またこの原審判決では、正当な理由が無いにもかかわらず、都市計画事業が長期間進行していない、あるいはその路線の必要性が見直されるべきであるのに長期間放置されているなどの、特別の事情が無い限り、都市計画決定権者である市町村の下した判断は、裁量権の範囲内にあると述べられています。
ただ、この最高裁判決には裁判官からの補足意見があり、そこでは公共の利益を理由とした制限が認められるのは、無償の制限を受忍させる事への合理的な理由が求められると共に、受忍限度を超えるに当っては制限内容と同時に、制限の及ぶ期間が60年を超える長きに渡って建築制限が課せられている場合には、損失補償を不要とする考え方に大きな疑問があると述べています。
すなわち長期未着手の都市計画道路に於いて、都市計画法53条に基づく建築制限は、所有権に対する内在的制約に属する事から、損失補償を必要とする特別の犠牲とは言えないが、60年を超える建築制限が課せられている場合には、損失補償を不要とする考え方に疑問があると指摘したものです。
このように適切な見直しや建築制限の緩和などの取組が為される事なく、長期間放置された都市計画道路は、損失補償の訴えの対象となる可能性が高い事からも、市町村に対する一層の見直しを促し続ける事が必要と考えます。そこで伺います。
①県内都市計画道路の整備進捗率と見直し状況はどうか。また市町村への見直しの働きかけはどうか。
次に県では、市町村が都市計画道路の見直しを進める為の指針として、平成22年に千葉県都市計画道路路見直しガイドラインを策定しています。その内容には見直しの背景として社会情勢の変化や道路構造令改正への対応、また見直しの基本的な考え方としての見直し検討路線の選定方法やその進め方の方法などが記されています。
しかし、令和5年に制定された千葉県都市づくりビジョンからは、都市づくりの目標と方向性として、地域の個性を生かしたコンパクトな都市と記されており、また国の都市計画道路の見直し手引き各論編においても、都市計画道路についてコンパクト・プラス・ネットワークなど、都市の再構築の取組等を勘案しながら、目指すべき都市構造と対応したものであるか再検証が求められると記されています。
このように今日の大きな社会課題である人口減少と高齢化の下では、都市のコンパクト化の方向性を抜きにして、都市計画道路の見直しを検討するのは必ずしも十分ではないと考えます。千葉県都市計画道路見直しガイドラインの策定から既に14年が経過しており、また急速に進む少子高齢化の下で、多くの自治体の財政状況が厳しさを増している事からも、都市計画道路の見直しとその削減は避けては通れない重要な課題と思われます。そこで伺います。
②千葉県都市計画道路見直しガイドラインの位置付けと改定についてどう考えるか。
2.開発許可制度について
我が国では昭和43年に都市計画法が制定され、高度経済成長期による人口や産業の都市集中に伴い、都市及びその周辺部での市街地の無秩序な拡大に対応する為に、地方自治の理念から都市計画の決定権限を都道府県や市町村に移譲すると共に、区域区分制度や開発許可制度が創設されました。
この区域区分制度では、都市計画区域を計画的な市街化を図る市街化区域と、無秩序な開発を抑止し、農地や自然環境の保全を目的とする市街化調整区域とに線引すると共に、これらを担保する為に開発許可制度が創設され、公共施設や排水設備等の良質な宅地環境の確保を義務付けながら、都市周辺での無秩序な市街化を防止する事となりました。
しかし平成12年には、その後の全国的な人口誠少や産業構造の転換など、都市を取り巻く環境の変化から都市計画法が改正され、区域区分制度や開発許可制度も見直されました。その結果、この改正により市街化調整区域に於ける開発許可制度の既存宅地制度が廃止され、都市計画法34条第11号や同12号などが定められた事から、市街化区域と一体的な日常生活圏を構成していると認められる地域では、おおむね50以上の建築物が連たんしている地域での開発行為が許容される事となったものです。
千葉県でも翌年には開発行為の基準となる条例が制定され、市街化区域から1.1km以内では、半径150mの範囲内に40以上の建築物が連たんしている地域や、敷地間の距離が55m以内で40以上の建築物が連たんする地域などでは、開発行為や建築等が認められる事になりました。これら都市計画法34条に基づく許可申請手続きは、いわゆる40戸連たん制度と呼ばれ、市街化調整区域での開発許可基準を都道府県等の条例により制定できる事から、この条例の運用次第では、本来開発を抑制すべき市街化調整区域での無秩序な開発が行われる危険性も生じる事となりました。
この40戸連たん制度により開発された地域では、虫食い的に又は連続的に開発された事による苦情や、開発への疑問の声が多く寄せられており、なかでも公共下水道が接続されない調整区域の分譲地では、浄化槽管理の悪さから、汚水や生活排水が十分浄化されずに側溝や用水路等に流入する事で、悪臭ばかりか河川の水質悪化などの悪影響が考えられます。また市街化調整区域での割安な宅地開発が増加する事から、開発地に隣接又は近接した市街化区域の住宅地では住宅価額が下落し、資産価値が損なわれる可能性が高まります。さらには課税面に於いても、調整区域に都市計画税が掛からない事より税の不公平感が発生する他、通学路の整備や道路などの移管施設の将来的な維持管理など、市町村の財政的負担が掛かるばかりか、売買価格の低い市街化調整区域での宅地開発の増加により、都市中心部での人口減少というスポンジ化現象も危惧されます。
このように市街化調整区域は原則として土地開発を認めない区域であり、40戸連たん制度による開発行為は、あくまでもその例外として認められるものです。その為、都心に近く開発圧力の高い地域であっても、市街化調整区域での開発を抑制し、コンパクトな都市づくりを目指す市町村に於いては必要性の低い制度であり、県からの権限委譲を受ける事により自然環境の豊かな住みやすい地域を創る事が求められます。そこで伺います。
①いわゆる40戸連たん制度の制定経緯についてはどうか。
②市街化調整区域での開発許可について、県はどう考えているか。
3.障害者グループホームについて
障害者グループホームは、平成18年の障害者自立支援法の制定により位置付けられたもので、それまでの入所施設や精神科病院から地域移行を進める為に整備が進められてきました。利用者数も国保連のデータからは、2008年の約4万8千人から2023年の約17万2千人へと、この15年間で約3.5倍に増加すると共に、現状のグループホームでは障害の程度が重い人と軽い人とが混在するばかりか、その住居形態もアパート型などの多様な形態が存在しています。
本年6月には第8次千葉県障害者計画が策定され、障害者権利条約や障害者基本法の理念のもと、障害者が地域でその人らしく暮らせる共生社会の構築が掲げられています。その主要な施策には、多様な障害特性に応じたグループホーム等の充実や地域生活支援拠点等の整備などがあげられており、障害者のニーズに即した多様な暮らしの実現が求められています。
これまでの計画に於いても、障害者の地域生活移行は重要な施策として位置付けられており、令和2年度から4年度までに2百人以上が入所施設や病院からグループホーム等に移行したものの、昨年4月時点でのグループホームや障害者支援施設の待機者は合計で600人を超えています。また新たな計画では、グループホーム整備を最重要施策の1つとして位置付けており、今後は障害者の重度化や高齢化、さらには「親亡き後」に備えると共に、入所施設や病院からの地域移行をさらに進める為の、重度障害や強度行動障害などの多様な障害特性に対応できるグループホームの整備や、地域生活を支える地域生活支援拠点等の整備が必要と言えます。
さらに障害者支援法の「どこでだれと生活するかについての選択の機会の確保」という基本理念からは、本人が希望する一人暮らしやパートナーとの暮らし等に向けた支援を目的とする、新たなグループホームも求められています。その為には、一人暮らし等の地域生活への移行に向けた支援や退去後の地域生活の定着に向けた支援として、社会福祉士や精神保健福祉士などの専門職の配置も求められます。そこで伺います。
①障害者グループホーム等の整備状況と今後の整備目標はどうか。また地域生活支援拠点等の整備状況はどうか。
次にグループホーム事業所の数は、昨年3月末時点で全国に約1万2千ヵ所と、この5年間で約1.5倍に増加しており、それに伴い障害者福祉サービスの実績や経験の乏しい株式会社などの事業者が多く参入してきた事から、障害特性や障害程度を踏まえた支援が適切に提供されないといった、支援の質の低下が懸念される状況にあります。
本年6月には、障害者向けグループホームを全国で展開していた運営会社が、利用者から食材費を過大に徴収していた問題が発生しましたが、その過大請求の額は全国で3億円近くに上り、事業所としての指定が取り消されたばかりか、組織的な不正として連座制が適用され、全国の事業所で今後の指定の更新が認められなくなりました。もし事業所が閉鎖され、入所者が早急に新たな施設に移る必要が生じた場合、障害の程度の重い入所者が施設を移る事は肉体的にも精神的にも容易では無く、事業所の質の低下がもたらす被害の影響は常に入所者に及ぶものです。
さらに障害者福祉サービス事業全体を巡っては、公費から支払われる報酬の不正受給の総額が、2023年度までの5年間で58億円に上った事が新聞社の調査で判明しました。障害者の多くが入所施設や病院から地域で暮らしていける様、国がサービス内容や報酬額を拡充しながらも、株式会社などの営利法人の参入増加に、そのチェック機能が追いついていない状況が確認されます。さらに国の指針では自治体に3年に1度の運営指導を勧めているものの、現伏の事前通告制の下では書類の書き替えを見抜けない事も考えられます。
このように支援の質の低下に対しては、グループホームの運営責任者である施設長への資格要件の設定や、支援の質を高める為のガイドラインの整備などが必要と考えます。
また令和6年の障害福祉サービス等報酬改定により、来年度からグループホームでの「地域連携推進会議」の定期的な開催が義務付けられました。これは地域住民からの施設や利用者に対する理解の促進を促すと共に、施設やサービスの透明性と質の確保を目的とするもので、その事により施設の運営が閉鎖的にならないばかりか、地域住民の理解も深まるものと思われます。そこで伺います。
②グループホームの質を確保するため、県としてどのように取り組んでいるのか。
次に項目の4.障害者就労支援事業について伺います。
障害者総合支援法に於ける就労系福祉サービスは、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援に分けられ、その中でも就労継続支援はA型とB型に分類されます。
この就労継続支援A型は、一般企業での雇用が困難であり、雇用契約に基づく就労が可能な障害者に就労支援の訓練を提供するもので、また就労継続支援B型は、雇用契約に基づく就労が困難な障害者に対して訓練を提供するものです。どちらも一般企業での雇用が困難な障害者への就労福祉サービスですが、A型とB型の大きな違いは雇用契約を締結するか否にあります。
また県内での就労継続支援A型の事業所数は、平成21年度末の7事業所から令和4年度末には124事業所に増加すると共に、令和2年での平均月額賃金も平成26年の調査より約1万2千円増加した約7万9千円となっています。
この就労継続支援A型事業所に於いては、生産活動に係わる事業収入から必要経費を控除した額が、利用者に支払う賃金以上になる事が求められるものの、令和4年度でこの基準を満たす事業所の割合は県内で57.5%であり、依然として経営改善が進んでいない状況が判ります。
この事から、就労継続支援A型事業所に就労する障害者への賃金が、国から事業者に支払われる報酬や助成金の中から支払われている事業所がまだ数多く残されている事から、国では事業収支の悪い事業所の報酬額の引き下げを本年4月から実施したものです。その結果、本年3月から7月までの間に全国で329ヵ所の就労継続支援A型事業所が閉鎖されると共に、そこで働いていた約5千人の障害者が解雇や退職となった事が報道されました。そこで伺います。
①今年3月以降の就労継続支援A型事業所の廃止状況と今後の見通しはどうか。
またこれまでも度々質問されている事ですが、就労継続支援B型事業所での工賃について、県の計画では令和5年度末で平均月額1万7千円とする目標を設定しましたが、令和4年度末でも1万5千371円であり、令和3年度の全国平均月額工賃1万6千507円にも満たない事業所が全体の7割を超えている状況です。障害の程度が1級の単身者に於いても障害者基礎年金の受給額は月8万5千円であり、B型事業所での工賃を足しても生活保護受給額にも届かない状況にあります。そこで伺います。
②就労継続支援B型事業における工賃向上への取組状況はどうか。
以上で壇上からの質問を終わらせて頂きます。ご答弁のほど宜しくお願い致します。
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(再質問2回目)
ご答弁有難うございました。それでは質問項目に従い再質問と要望を述べさせて頂きます。まず1項目の都市計画道路について質問させていただきます。壇上での都市計画道路の課題として述べたとおり、いわゆる盛岡裁判の補足意見からは、適切な見直しや建築制限の緩和に関する対応を取る事なく、長期間放置されたままの都市計画道路は、損失補償の訴えの対象となる可能性がある事を述べさせて頂きました。ただちに都市計画道路の廃止を含めた見直しを決定する事は難しくとも、優先整備路線以外での商業地域や近隣商業地域などの建蔽率や容積率の高い地域に於いては、建築制限を裁量に依り見直す事が可能ではないかと考えます。そこで伺います。
②裁量により建築制限を緩和している県内自治体の状況はどうか。
(要望2回目)
次に項目の2.開発許可制度について要望致します。
この40戸連たん制度は、それまでの既存宅地制度の問題点を改善する為に制度化されたもので、既存宅地としての認定の困難さや、開発行為とのバランス、さらには排水設備や安全性などの既存宅地制度の課題には対応できるものの、市町村が区域指定したエリアに於ける既存の住宅団地などと隣接した地域では、市街化調整区域での広範な開発が可能になるなどの運用課題が残されています。この事から、都市計画の線引きの意味を失わせる様な無秩序な開発を防ぐと共に、自然環境を保全する意味からも、市町村の意見を丁寧に汲み取りながら、地域住民に寄り添った開発制度の運用に努めて頂くよう要望致します。
(要望2回目)
また項目の3.障害者グループホームについて要望を申し上げます。
県では障害者グループホーム等の事業所に対するサービスの質の確保を目的として、定期的に実地指導や立入検査を実施し、さらには県独自のグループホーム等支援ワーカーによる事業者への運営相談や研修会を実施しているとのご答弁でした。
厚生労働省の指針では事業所ごとに3年に1回の実地指導を推奨しており、それに基づき利用者や職員の記録や運営状況の確認が為されています。しかし多くの営利企業が参入するグループホーム事業所の運営をチェックし、給付の適正化やサービスの質を確保する為には、この厚労省の指針以上の定期検査が必要ではないかと考えます。さらには年1回以上開催される地域連携推進会議と連携し、外部の目を活かしながら運営状況を確認していくよう要望致します。
(要望2回目)
次に項目の4.障害者就労支援事業について要望致します。
障害者就労支援事業の在り方として、就労体験から得られる社会との繋がりや、社会の役に立つ存在としての自己の肯定感、さらには仲間との連帯感や自らの居場所としての安心感など、多くの価値がその中に含まれており、就労での工賃の上昇のみを大きな目標とすべきではありません。しかし、より多くの新たな価値や喜びをもたらす為には、就労の機会をより多く得る事が求められ、その結果としての工賃の上昇は、自立した生活を送る為にも求め続ける必要があります。また、障害者の優先調達に関して、令和4年度での県の調達額は約2千2百万円であり、県内全市町村の優先調達額の1/10程度しかありません。今後も県として一層の就労の確保に向けた取り組みを進めるよう要望致します。
以上で2回目の質問と要望を終了します。
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(要望3回目)
最後に項目の1.都市計画道路について要望を述べさせて頂きます。
もとより都市計画道路の必要性やその効果について否定するものではなく、単に交通渋滞の緩和ばかりか、広域道路ネットワークによる産業拠点の確立や、大規模災害時での緊急輸送道路として果たすべき役割についても十分理解しております。私の地元・四街道市でも企業誘致に於ける産業用地の確保は喫緊の課題であり、国道や県道、さらには高速道路と連結する道路ネットワークの構築は重要なものと考えます。
しかし必ずしも財政状況が豊かとは言えない自治体に於いては、都市計画道路の建設は大きな財政負担を伴うもので、社会保障関係費の大幅な増加ばかりか、公共施設やインフラの更新費用にも苦慮する状況にあります。県内でも財政規模や人口状況が中規模の自治体と推定される四街道市では、平成28年度の議会答弁の中で都市計画道路に関する現状と将来の推計値が述べられています。その内容は都市計画決定を受けた道路の総延長が約5万メートルで整備率が47.2%、また市単独での直近10年間の平均整備実績を基にした全線開通までの必要年数は約230年、さらに今後必要とされる未整備道路の事業費が約370億円との内容でした。どれも約10年前の推計値であり、どの期間やいつの施工単価を計算の前提とするかにより、それぞれの数値は異なりますが、少なくとも全線開通までには更に100年以上の年月と、市の一般会計予算額規模の事業費が求められるものと推測されます。
都市計画は100年の大計と言われるように、その完成には長い年月が必要とされます。しかし国勢調査に基づく国の将来推計人口では、2020年の約1億2千6百万人から50年後の2070年には8千7百万人に減少すると共に、高齢化率も28.6%から38.7%へと増加します。既にこの国は、多くの都市計画道路が決定された昭和40年代の高度経済成長の時代から、穏やかな低成長の時代へと移り、都市の在り方もコンパクトなまちづくりへとその姿を変えようとしています。
このような状況の変化から都市計画道路の廃止を含めた見直しが強く求められるもので、県による市町村への積極的な見直しの働きかけを要望致しまして、私の質問を終わらせて頂きます。ご静聴有り難うございました。